本日は住宅についての新基準「ZEH住宅」についての話をしていきたいと思います!
家を探し始めた方は聞いたことがあるかもしれませんが、まだまだ馴染みの薄いワード。
ZEH住宅とは
大きな所で言うと、以下の3点を合計して国の定めた基準をクリアした住宅がZEH住宅となります!
・建物の断熱性能・気密性
・高性能の住宅設備
・太陽光発電等の創エネ設備の導入
ZEHの今を知りたい方に ↓経産省より説明動画(Youtube)↓
タレントの篠田麻里子さんが出演なされていて、ZEHについてのお話をしてくれています!
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト
建物の断熱性能・気密性
例えて言うと水筒の魔法瓶。判り辛いですかね(;’∀’)
地域によって違いますが真冬は0度、真夏は35度で外気が入ってくると生活しずらいですよね!
逆にリビングで快適な温度が外に逃げると暑かったり寒かったり、その分エアコン代も増えてきます。
そこで建物の断熱材や窓、玄関ドアなどを高断熱化して、より熱が入りにくく逃げにくい家である必要があります。
具体的には外皮性能(外皮平均熱貫流率)Ua値≦0.4~0.6(w/㎡・K)、つまりUa値は0.4~0.6以下である必要があります。低ければ低い程、断熱のしっかりした家という事ですね!
※北海道から沖縄にかけて、各地域で最低ラインが変わります。極端に寒い場所と温暖な所では、同じ断熱性能は、必ずしも必須でないという考え方です。
高性能の住宅設備
例えばエアコンが最多な例となります。家庭エネルギーの約30%を占めているのが冷暖房と言われていますが、昔と今のエアコンでは電気消費が全く違うようです。エアコンの効率を三段階で「い、ろ、は」で表記されていますがZEHには「い」相当のエアコンを推奨されています。
あとは大きな所では給湯器。普通のガス給湯器をエコキュートやエコジョーズ等、効率の良い物にすると良い。
細かな所では玄関ドアやキッチンのタッチレス水栓まで、全体で「どれ位エネルギーを節約出来ているかの総量」が重要になってきます。太陽光などで発電したエネルギーより、消費したエネルギーが少ない事が基準になるので、それぞれで最低設備が決まっている訳ではありません!
太陽光発電などの創エネ設備の導入
ZEH住宅=太陽光の家でしょ?ってなりがちですが、半分正解です(‘▽’)
太陽光発電はZEH住宅を達成する為の手段であって、目的かと言えば目的その2って感じです。
後ほど、ZEHにする目的をまとめていきたいと思いますm(__)m
上記のUa値では0.6以下という最低基準がありますが、各設備の数字によっては必要な太陽光パネルの発電量が変わってきます。一般的には発電量が5.5kwから6kw位の容量が付いていれば大丈夫なケースがあります。
なぜZEHを奨めているのか
- 昨今の環境問題で言われている地球温暖化対策で、「京都議定書」や「パリ協定」。
- 国連でも環境サミットという会議でSDGs達成に向けた17目標。
- 直近の話題ではロシア・ウクライナ戦争による世界的なエネルギー需給のひっ迫。
- 2022年6月頃にあった電気不足懸念による節電呼びかけ。
- 2022年参議院選挙終了後、岸田総理からの「原発9基再稼働」発表。
エネルギー問題は規模が大きい話で実感しにくいですが、生活面でとても重要です。
もし2日停電になっただけでも冷蔵庫の保存が効かなくなり、猛暑日の場合熱中症リスクもあります。
日本全体のエネルギー消費の内、2020年は家庭内消費エネルギーが全体の15%を占めていました。
令和3年の住宅着工戸数は85万6,484戸、令和元年国内の住宅ストック数は6,240万戸
国土交通省HPより引用
年間80万戸の中でZEH住宅のシェアが増えていければ、一つ一つが世界で見れば小さい変化かもしれませんが全体では大きな力になり、環境貢献とSDGs目標達成に繋がっていきます。
原発についても賛否両論が分かれている中で、太陽光・水力・風力などの再生エネルギーは多ければ多い程、火力と原発への依存度が減っていく方向になる為、増やす事で国として損になるエネルギーでは無いと考えています。
ZEH住宅の目的・デメリット
目的・メリット
- 住んでいて快適
- 毎月の光熱費が安い
- 各種補助金を受けられる
- 停電対策になる。※蓄電池をつければ更に向上
- 住宅の評価証明書が得られる
個人的な体感になりますが、高級なハウスメーカーでは無くともローコスト~ミドルコストで比較的手に届きやすい住宅メーカーで実現可能なグレードだと考えています。土地を除いた建物価格で、広さや土地にかかる付帯工事にもよりますが1800万円~2500万円程で実現出来ている会社なら相対的なコスパが良いのではと思いますので、ローコストで考えている方でも一考の価値はあります。
2022年7月現在はZEHの補助金以外に「こども未来住宅支援制度」があり、ZEH住宅の場合100万円の給付対象になりZEH費用で出た穴埋めが少し可能になります。
光熱費では売電単価が年々下がってますが、電力会社から買う電気が下がるので1万円以上の経済効果がある家庭もまだまだ多いです!
何より「住んでいての快適さ」夏涼しく冬温かい、風邪を引きにくい→ここを家で重視される方には特におススメしていきたいです。
デメリット
- 建築コストが上がる
- 間取り、住宅設備に制約が付くことがある
従来の家(平成24年当時の一般的仕様)と比べるとコストがどうしても上がってしまう。ローコストを追求してZEHを取り入れていない会社さんもあるかと思います。
ZEH住宅自体、ここ数年で新たに取り入れられた制度です。
家についてどこを優先にするかは人それぞれなので、その時の土地費用や補助金の有無、全体的に掛けられる予算等を見越して考えていければ良いのかと思います!
家だけ頑張って背伸びしても、他で生活が苦しくなったら悲しいですもんね (‘д’)!
因みに家は8年前に建てたのですが、その時は今ほどZEHが普及していなくZEHじゃない家に住んでいます…後悔はしてないですが快適さを自宅でも体感したかった感はあります(TдT)
2棟目ですか?ご出資をお願いします。w
また、吹き抜けや間仕切りがあまりにも無かったりと、解放感はいいですが壁が少ない家の場合はZEHの認定が降りないケースもあります、具体的には設計士さんとご相談しながら考えて頂けたら良いかと思います。
政府としてのZEH普及目標
以下、令和4年6月(当記事の一か月前)に改正された「建築省エネ法の改正」より抜粋です。
・ 建築物省エネ法を改正し、省エネルギー基準適合義務の対象外である住宅及び小規模
国土交通省HPより引用
建築物の省エネルギー基準への適合を2025年度までに義務化するとともに、2030年度以
降新築される住宅・建築物について、 ZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保を
目指し、整合的な誘導基準・住宅トップランナー基準の引上げ、省エネルギー基準の段階
的な水準の引上げを遅くとも2030年度までに実施する。
政府としてもスローガンを掲げて各補助金や優遇を推し続けて頂けると、そこに向かって住宅事業者だけでなくエアコン等の家電メーカー、太陽光発電などの設備メーカーも商品開発に向けての設備投資をし易い方向に向かうので、今後益々普及していく流れになるかと思います!